ライブマン 東映 特撮

ライブマン 最終回

やっぱり最終回も滅茶苦茶重いライブマン。
これだけカタルシスのない戦隊の最終回は初めて見ました。
今の時代では難しいのでしょうね。

いくらビアスとはいえ、子供の姿では撃てないめぐみ。
そりゃそうです。
ここで撃ったらすべての命を大事にするライブマンのテーマが
根底から覆りますから。
そしてその思いがケンプたち天才(の頭脳)を動かします。
マゼンダは逃げ惑いましたが、他の1000点頭脳たちはやはり
ケンプ同様ビアス様に心酔して脳を捧げたのでしょうか?
やはり某教団と被りますが、某教団は首領がおバカなので
やっぱり理解はできません。

結局全ての人間に裏切られるビアス。
元々異常に肥大した自己愛の塊がビアスなので、最終的には
こうなりますよね。
結局ビアスの過去には触れられませんでしたが、あのビアスが
大切にしていた大学時代の(ちょっと老けたw)写真。
ビアスも豪やケンプたち同様、偏差値こそすべてという
悲しい人間だったのが垣間見えます。
子どもに戻ったらもう一回り勉強出るといきがる少年王ビアス。
しかしめぐみに痛いところを突かれて動揺してしまいます。
やはり寂しい少年時代、青春時代を送ってきたのが透けて見えますね。

最後まで自分についてきてくれたのが自分が作ったロボット、ガッシュ。
そりゃそういうプログラムだから裏切らないのでしょうが、それが
返ってビアスの孤独を際立たせます。
「花火です。ビアス様の地球征服をお祝いする花火です」。
無性に泣けますね。
ビアス自身も身近な人や友達に裏切られて、ああいう風になったの
かもしれません。
何となくビアスの気持ちはわからなくもないです(笑)。

しかしガッシュは片手がなくてもちゃんとギガファントムで
ズノー獣を巨大化させます。
まさか最終回までルーチンをやるとは思いませんでした。
こういうのも偶にはいいかもしれませんね。
そしてそのガッシュにタイマンで勝つレッド。
宿敵というほどでもないですが、このバトルは燃えました。
ガッシュはビアスの忠実な下僕というキャラ設定なので、レッドとの
ライバル関係はなかったのですが、唯一ビアスを裏切らなかった
忠臣として戦うところがガッシュらしかったです。
決して自己のためには戦わないんですね。

今回はイエローその他の面々は目立った活躍はなし。
心をめぐみに、強さを祐介に割り当てる脚本は、やはり2人のキャリアに
配慮したものでしょう。
後にビッグになる西村さんはまだ新人でしたしね。
それぞれのらしさが出てよかったと思います。
最初はライブマンの面々も復讐をメインに掲げていたのですが、
割と初期の段階から復讐には拘らなくなりました。
そういう優しさを持った戦隊がライブマンなのです。

最後はガッシュの目から出る過去の名場面で終幕。
でも美しいものは映っていないというなかなかブラックなラストです。
「どんな生き物でも熱い命があるよ、花、鳥、人それぞれ」。
動物をモチーフにしたのもこういうテーマだからなんですよね。
半年間ライブマンを視聴してきましたが、見応えがあったというのが
この作品に一番相応しい言葉だと思います。
これだけ人間を描いた戦隊は他にないかもしれませんね。

ではでは。

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