デカレンジャー 東映 特撮

特捜戦隊デカレンジャー 第43話&第44話

43話
いやあ、久々に見たけど面白い話でした。
43話にして初めてバンが主役らしい主役に見えましたね。
無鉄砲が売りのバンが特攻しようとするホージーを冷静に外して、
自らディーリボルバーでコアを破壊するって、天才すぎる。
ゴアの居場所を突き止めた時もそうでしたが、熱血漢の割に一番冷静にも
なれるのがバンの強み。
多分、そこがホージーもバンに敵わないって認めているところだと思います。
ホージーの進むベクトルにバンの後ろ姿は見えない。
だからより大きなベクトルを得ようとトッキョウを志した。
ホージーにとってバンは今じゃヴィーノ以上に大きい存在なのがわかりますね。

今回は珍しく新しいアリエナイザーが出ない話。
その代わりアブレラがデカレンジャーを挑発します。
商売のためとはいえ地球を犠牲にしようという悪辣さ。
まさに死の商人ですね。
ブラウゴールは前回よりさらにパワーアップして、オルカニックバスターでも
倒せないほど。
というか、クリスマス時期恒例の在庫一掃セール回らしく、全ロボ勢ぞろいで
全ロボのエネルギーを集めて倒すってのは、さすがバンダイです。

妹さんの結婚式で泣くと言われたホージーですが、これはバンに対する涙の
伏線なのは明らか。
しかしホージーの中の人は新人なのに一番感情的な演技が求められてる気が
します。
演技力があるからこそブルー役に選ばれたのでしょうが、中の人は
大変だったでしょうね。
今回の一人芝居は相当ハードル高いと思われます。

「あいつはただの閃きで無鉄砲に突っ込んでいく。命がいくつあっても
足りない」。
序盤はバンの死亡フラグ出まくりですね。
隕石を破壊する任務を自ら志願するホージーですが、こういう時仲間が
先回りして出動するのは完全に死亡フラグ。
今回はこっそり同乗するパターンでしたが、このパターンも多いですね。
視聴者もバンの性格を知ってるだけに無謀に特攻したとばかり思わされました。
下手な脚本だと偶然助かったみたいにしそうですが、そうしなかったところが
本話の素晴らしいところだと思います。

一人で行くというホージーに「万が一の時のために2人は必要だろう」とバン。
これはバンが正しいんですよね。
一見冷静なホージーと冷静さを欠いてるバンなんですが、隕石を潰す方が
地上のブラウゴールと戦うより重要なオペレーション。
ボスもホージーの方を信用しているので1人で行くことを許可しましたが、
これも判断としては間違いです。
ただ、ここで諦めないのがバンなんですが、その主な動機はホージーの妹の
結婚式というのがバンらしさです。
バンはその滅茶苦茶な行動原理とイザという時の冷静な判断が両立してる
ところが凄さなんですよね。

出発するホージーを心配するウメコたち。
ここではホージーの死亡フラグが立ちますが、当然これはブラフ。
結局地上のブラウゴールはデカウィングロボなしで倒せなかったんですが、
結果論としてもバンの行動は正解。
まあ、終わりよければすべて良しということなんですが。
隕石を何とか爆破するバンとホージー。
しかし中から隕石の本体が現れます。
ここで動揺するホージー。
さすがのホージーもテンパってるのがわかりますね。
2人ともコアを破壊するというところまでは辿り着きますが、ここから常識を
超えるのがバンの凄さというのは前述のとおり。
ちゃんとバンがその方法を閃くシーンを入れてるのも抜かりないですね。

とはいえ、バンが特攻覚悟なのも事実。
作戦を敢えてホージーに言わなかったのもその覚悟ができていたから。
まさに一か八か。
それが上手くいくのがドラマなんですよね。
しかしホージーは、昔の親友、恋人とその弟に続いて相棒まで失うところ
でした。
バンの弔い合戦に熱くなるホージー。
バンとホージーが相棒なのは、結局表面上真逆でも熱さは同等のところです。

バンの殉職を告げるシーンからの悲壮感のある戦い。
そこからバンが戻ってくるシーンは最高すぎます。
「相棒って言うな」というセリフに泣かされるとは思いませんでしたね。
最後は全ロボ集中で敵を破壊。
そして約束通り牛角での焼肉パーティ。
ウメコとテツ、仙とジャスミン、バンとホージー。
見事にカップリングされます(笑)。
番組内ではウメコと仙が結ばれますが、実際の夫婦ということもあり
ウメコとテツの方が何となくお似合いなんですよね。
仙とジャスミンもボケツッコミでいい関係ですし、こっちの組み合わせでも
よかった気がします。

タンシオを巡っても熱く喧嘩するバンとホージー。
やっぱり熱血なんですよね。
そして最後まさに美味しいところを持っていくジャスミン。
これは脚本なのか現場の判断なのか。
重い話を締めくくるには最高過ぎるオチでした(笑)。
ジャスミンってお茶目なところがかわいいんですよね。

44話
久々ボスの主演回。
定番の兄弟弟子同士の諍いもの。
スターウォーズだとボスがオビワンでビスケスがアナキンと
言ったところでしょうか?
でも、それでは力関係が逆ですね。
私はスターウォーズよりむしろ北斗の拳を思い出しました。
ボス=ケンシロウ、ビスケス=ジャギ。
ジャギの含み針を彷彿させるビスケスの液体攻撃。
多分元ネタでしょうね。

今回もまだホージー妹の結婚話は続きます。
地味に引っ張りますね。
妹へのプレゼントを買った後闇討ちに遭うホージー。
ブルー1人とはいえ、あっさり病院送りにするビスケスはなかなかの剣豪。
ホージーを殺さなかったのはアブレラの依頼でしょうか?
ボスが地球署だけで対応すると言ったのは、明らかに私情ですね。
警察官として恨みを買うことは多いですが、まさか剣の道でも恨みを
買ってるとは。
これもボスが強すぎるゆえでしょうか?

ボスに待機を命令されても無視して出動するテツ。
すっかりバン以上の無鉄砲キャラになってます。
演じる吉田氏の表情も初期とは段違いですね。
人一倍プライドが高いトッキョウというのもあるでしょうけど。
ただ、今のテツは噛ませ犬なので、案の定負けてしまいます。
1人にしては健闘してトッキョウの意地は見せましたが。

ボスとビスケスの戦いはボスの完勝。
やっぱり強いですね。
今回は剣対剣。
しかも同じ銀河一刀流同士なので、純粋に能力差が出たようです。
ここで命乞いするビスケスがジャギなんですよね。
「勝ちゃいいんだよ、勝ちゃ」。
まんまジャギ(笑)。
恩師の息子なので迷うボスは人間らしいですが、ジャッジメントした以上は
とっととデリートしないといけません。
この辺はちょっと甘いですね。

ビスケスの裏にはアブレラがいました。
最終回が近づいて、アブレラがますます好戦的になってます。
露骨にデカレンの前に出てきましたね。
宇宙警察なんか怖くないキャンペーンの時の手つきが「狼なんか怖くない」に
掛けてたのは今回見るまで気が付きませんでした。
ボスに止められても戦いに出るバンとジャスミンはかっこいい。
ブンターの下で修行して以降、バンの成長が著しいです。
感情に任せるだけでなく、チームのため、仲間のためを考えて行動するように
なったと思います。

2人で突撃しますが、相手はイーガロイド4体を中心に多勢に無勢でピンチ。
ここで全員が無茶を押して出てくるシーンは熱い。
そして全員の名乗り。
アブレラとの初の直接対決ですが、結構強いんですよね。
単なる商人かと思いきや、さすがラスボスです。
一方ボスはビスケスに引導を渡します。
しかし、あんな奥義あるならブリッツ戦で出しとけよとも思いますが、
相性もあるんでしょうね。

アブレラはさらに怪重機も出しますが、これもデカベースロボで撃破。
今回で番組的にもアブレラ対地球署という構図を全面に押し出しました。
リアル視聴当時、アブレラってそこまで大物と思ってなかったので、
ここで明確にラスボスに認定されたのは意外でした。
恐らくそういう視聴者が多いので、クリスマス前にはっきりさせるエピソード
入れたんでしょう。
次回はちょっと息抜きのコメディ回。
いよいよ配信もあと3週ですね。

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