ウルトラシリーズ ウルトラマンマックス 特撮

ウルトラマンマックス第15話 第三番惑星の奇跡

ウルトラマンネクサス、マックス、メビウスは確かこのサイトを立ち上げて最初のウルトラシリーズということもありリアルタイムで見てました。
ネクサスが若干重い話だったので、原点回帰のマックスはとても楽しみながら見てた記憶があります。
何と言ってもM78星雲から来たウルトラマンというのが昭和世代としては嬉しいところ。
黒部氏、桜井氏がレギュラーで出演し、ナレーターをウルトラ好きで知られる佐野史郎氏が務めるなど、始まる前から期待は高まりました。

ただ、序盤は手堅い作風で可もなく不可もなし。
それでも不満はなかったのですが、この第15話でいきなりトップギアに入りましたね。
朝から終末戦争を思わせる敵の出現と廃墟となる街の描写。
それまでの作風とのあまりの違いに理解が追い付きませんでした。
「太陽系第三番惑星。滅びるにはまだ惜しい者たちが住む星だ。」というセリフに絶望的な状況が表れてます。
DASHは外人がいたりアンドロイドがいたり、一風変わった組織ですが、宍戸開氏演じる隊長のキャラもあってアットホームな感じの組織になってます(ネクサスとは大違い(笑))。
そういう隊長が言うセリフだけに重いですね。

ここで無関係と思われていた少女のストーリーとイフのストーリーが交わります。
目の見えない少女がどうやって怪獣の傍に行ったかという無粋なツッコミも可能ですが、そんなものは奇跡の前には大した問題じゃない。
「怪獣さんは音楽、嫌い?私はね、大好きなの」。
何回見ても涙が出ますね。
目が見えなくても挫けることなく音楽に打ち込む少女。
その前向きな姿勢には学ばせられるところ大きいです。

結局イフというのは相手の心を映す鏡なんだと思います。
怪獣の変化にミズキの少女を守るための鬼の形相も優しい表情へと変わります。
現実社会では甘い考えかもしれませんが、この物語はあくまでファンタジーなので、そういう批判は的外れ。
現実には軍隊や核兵器はなくなりませんし、必要ですが、それをなくしていこうというテーマは描き続けなければなりません。


ただ、youtubeのコメントを見てると子供の時に見た人はトラウマになったとか、本話のテーマが理解できなかったという人が多かったようです。
私は既にいい大人だったので感動できましたが、子供向け特撮としてはちょっと難しかったかもしれません。
セブンが視聴対象にした中学生くらいなら問題ないと思いますけど。

本話の監督は三池崇史。
有名監督に好きなように作ってもらうというスタッフの姿勢がこの傑作を生みだしました。
特にイフの造形や変形、廃墟の街のシーンなど、これが子供向け30分番組とはとても思えません。
三池監督は16話の「わたしはだあれ?」も担当。
こっちもイフとは違った意味での強敵が登場して抱腹絶倒なコメディに仕上がってます。


この2本を見終わった後は、さすが一流の監督は違うなあと、ここから失速すると思いました。
しかし予想外に最後まで失速せずに次々と面白い話が作られました。
これも39話という短い話数ながら、シリーズ最多のクリエイターが参加した賜物でしょうね。
マックスは空想特撮シリーズとしてはシリーズ一の完成度だと思いますので、
平成をあまり見てないウルトラファンにも是非見ていただきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA