49話
アブレラとの最後の決戦前編。
ラス前は絶望で終わるというのは特撮のお約束。
まず気になったのはOPの各人の顔アップが新しくなった点。
敢えて撮りなおしたのでしょうが、粋なことしますね。
各人の成長が表情からもわかります。
今回と次回は最近空気だったマーフィーが大活躍します。
ボス、スワンさん、そしてデカレンたち。
全員に見せ場があるのがいいですね。
同じテレビ朝日だけに、映画版ドラえもんを思い出します。
アブレラは当初ラスボスの予定ではなかったそうですが、
最終的には闇のフィクサーとして大物設定となりました。
今までのアリエナイザーは星でしたがアブレラは銀河まで
滅ぼしてますので、インフレもいいとこです(笑)。
デカレンの面白いところはラスボスの狙いが地球征服とかではなく、
宇宙警察への復讐というところ。
そもそもデカレンの世界では地球がちっぽけな存在なので、
これくらいのスケールにしないとラスボスらしくないですしね。
そしてラスボスの行動原理は「金」。
刑事ものとしては妥当な落としどころではないでしょうか?
警察そっちのけで宇宙の闇の帝王みたいなのを出すより、死の商人が
ラスボスの方がデカレンらしいです(そこが宇宙刑事との違いか)。
今まで契約したアリエナイザーから地球署の情報を得ていたアブレラ。
こういう抜け目なさがいいですよね。
最終決戦でアブレラが用意した傭兵軍団。
なんとイーガロイドのモデルまで出てきます。
こういう遊び心いいですね。
しかしハイパーマッスルギアまでつけた傭兵4人を圧倒するデカマスター
強すぎ。
ブリッツに負けてたのが嘘みたいです。
それほどブリッツが強かったということでしょうか。
しかしスワンを人質にされると形勢逆転。
ボスのウィークポイントですね。
スワンを脱出カプセルで外に放出するマスター。
キョウリュウジャーでアミイを突き落とすレッドと被りました。
愛する者を守る心は同じです。
そしてウニーガの太刀を受けて力尽きるマスター。
これもキョウリュウジャーのウッチーと被りますね。
ボスの席に座るアブレラ。
アブレラの作戦はほぼ完ぺきなんですよね。
普通なら負けようがない。
これを気合じゃなくチームプレイでひっくり返すのがデカレンの
醍醐味です。
敵の手に落ちたデカベースロボの破壊力はけた違い。
ジャスミンが必死に警視庁に避難勧告を依頼するシーンとか
細かいですがいいですね。
しかしその直後に大破するデカレンジャーロボ。
なかなかショッキングです。
ガッツ星人に破壊されたウィンダムを彷彿とさせます。
ボスと連絡を取るジャスミン。
ここでボスの最後の「バカヤロー」が聞けるんですよね。
しかし直後に息絶えるボス。
まあ、多分生きているだろうとは思いますが、視聴者のお子様は
このシーンを見て絶望したものと思われます(笑)。
ヌマ長官からの連絡でアブレラの正体がとうとう判明します。
これだけの大物なのに宇宙署が正体を掴めてなかったというのは
凄いですね。
宇宙署内に協力者がいたという可能性もありますが、そこまで風呂敷を
広げると畳めなくなるので、この程度で抑えて正解でしょう。
ただ、どう考えても惑星間戦争とか一人でできるものではないので
協力者は絶対いるはず。
そいつがアブレラの後を継いで続編でもよかったですね。
まあプリキュアと違って簡単に2年目というわけにはいかないんですが。
因みにアブレラはアンブレラでレイン(雨)星人と掛けているというのは
今回の配信で漸く気づきました。
遅いですが(笑)。
デカベースロボが街を破壊しているとき避難している人がいますが、
どう見ても逃げ遅れた人一杯いますね。
ヌマ長官のデカベースロボ爆破は当然の決断でしょう。
ただし、あんな大規模な艦隊が必要だったかは疑問があります。
宇宙警察って案外無能なんですよね(笑)。
しかし相手が巨悪だから宇宙署からはお咎めなしでしょうが、地球人から
したらデカベースを乗っ取られた責任は追及されそうな気もします。
まあ、治外法権なので(笑)。
ボスがいない状態で各人がそれぞれの長所を生かして巻き返していくのが
面白いんですね。
まずスワンの意図を推測してデカウィングロボが地下に移動していると
見切る仙ちゃん。
仙ちゃんの推理もさすがですが、スワンさんは本当に優秀。
ただ、敵が侵入した時にマシンは格納庫に移すという事前マニュアルとかは
なかったのでしょうか?
やはり簡単に基地を乗っ取られたのはいただけません。
「俺たちは絶対勝つ」。
ここからの少年ジャンプ的熱血な展開がいいです。
そして敵もさるもの、希望から絶望に変わる展開はハラハラさせます。
知能の高いアブレラはデカレンジャーの変身システムまでしっかり
押さえてます。
フリーザ声の効果もありますが、追い詰められたように見えて
余裕の態度には王者の風格さえ漂いますね。
そしてこれもお約束、「冥途の土産」に自分の作戦を披露。
言わなくてもいいのに、こういう自己顕示欲は悪者には必須です。
やっぱり捻くれた人間って、自分が認められないルサンチマンみたいな
ものが出発点なのでしょうか?
しかし地球署どころか宇宙警察そのものまで一網打尽にする作戦は
さすが銀河を一つ滅ぼした男。
スケールがでかい。
キョウリュウジャー同様最後は変身できないという展開。
これは中の人を目立たせるためでもありますが、まさに最終回という感じで
いつ見ても燃えます。
エンディングコントをどうするかと思ったらハクタクとギンを持ってくるのが
意外でした。
そして最終回予告はいつものことですが、バン以外全員死んだみたいな
演出です(笑)。
最終回
通信回線まで遮断するアブレラ。
抜かりありませんね。
こういう場合、敵の凡ミスとか味方の根性とか奇跡みたいなものが
突破口になるパターンが多いですが、デカレンの最終回はちゃんと
計算されてるのがいいんですよね。
そして各人が個性を発揮してレッドに繋げる。
これはキョウリュウジャーでも同じでしたね。
一番燃えるパターンです。
生身でウニーガたちと戦うバンたち。
いや、ボスさえ倒す敵に無理すぎ。
ここで絶望かと思いきやマーフィーが来るのが胸熱です。
ドラえもん映画なんかでよくある展開ですね。
マーフィーはデカベースと切り離された動力システムで動いているのか
アブレラの支配下にはありません。
何でもかんでも一元化しなくて正解です。
脱出したスワンさんが言った「完成したばかりのあのシステム」。
これが鍵になるんですね。
スタートはジャスミン。
まさかボスが落としたベガがこういう風に役立つとは思いませんでした。
最終回でも通常運転の「ジャスミンはエスパーである」が聞けます。
そして偶然出会うのが仙ちゃん。
仙ちゃんはデカレンの知恵袋的存在ですからね。
いつもジャスミンのエスパー能力を敷衍します。
こちらも通常運転の逆立ち。
いつものナレーションが聞けます。
そして奥の手のSPDシグナル。
これは初めてですが、如何にも警察らしくていいですね。
そして次がウメコ。
ウメコに得意技なんかあったっけと思ったら、まさかの入浴。
ここでギャグで誤魔化してくるとは思いませんでしたが、
ウメコはこういう役回りなのである意味ウメコらしい。
ドラえもん映画だとスネ夫とか意外なことで時間稼ぎしたりしますね。
まあ、入浴だからしずかちゃんなのですが、サービスシーンにも
なっているという二段構え(笑)。
しかしSPライセンスも役立たない状況でこんなことができるウメコが
実は一番凄い気がします。
因みにカニだから泡なんですよね。
水の泡とも掛けてます。
テツは偶然ですが、ここでデカバイクロボを遠隔操作してバンと
ホージーを助けます。
次はホージー。
得意の射撃でリフトのスイッチを押します。
まさに神技。
いつもならバンの「すげえぜ相棒」に対して「相棒って言うな」と
返すのですが珍しくスルーするホージー。
単に余裕がないだけかと思わせて違うんですよね。
そして遂に来た名セリフ。
「後は頼んだぞ。相棒」。
そしてバンの「相棒って言うな」。
このシーンで感動しない人はいないでしょうね。
ある意味第一話からの積み重ねが実ったシーン。
正直鳥肌立ちました。
皆の協力で鉄工所まで辿り着いたバン。
最後はバンのランニングです。
アンカーという言葉に象徴されるように、各人ができることを
して見事にバトンを繋ぎました。
チームワークの勝利。
バンの成長ですね。
遂に逆転のボタンを押すバン。
しかし、こんなシステムまで作るスワンさん凄すぎ。
まさにこんなこともあろうかとです。
こうなると形勢逆転。
いやあ、カタルシスある展開ですねえ。
ここまで変身せず個人個人で問題を解決していく。
対して宇宙警察の無能さが光ります。
敵の罠くらい気が付けよ。
それだけアブレラが大物ということなんでしょうが、下手すりゃ
物凄い被害出てます。
最後の変身は当然名乗りつき。
ここで主題歌は燃えますね。
遂にアブレラをジャッジメントするデカレンたち。
最後でもちゃんと通常運転なのがデカレンのいいところです。
アブレラのやられ方もいい。
なんかヤプールの最期を思い出しましたが。
ただアブレラの能力ならコウモリになって逃げられたような気がします。
まあ、自分の最大の計画が破られて潔く負けを認めたのかもしれませんね。
最後まで自分の信念を曲げないアブレラは敵ながら天晴ではありました。
そしてわかってはいましたが生きて帰ってくるボス。
「誰が天国だって」。
スワンさんも死にかけたのにもう少しそっちの心配してやれよとは
思いますが、やっぱり皆ボスなんですよね。
一応バランスをとるためにマーフィーはスワンさんに飛びつきますが。
「俺はお前たちを誇りに思う」。
自分たちだけの力で宇宙の平和を守った部下を称えるボス。
何度見てもこのシーンは泣けます。
皆の泣き顔がいいですね。
結構テツがガチ泣きで、地球署に正式に赴任になった挨拶でも
若干目が赤いのがわかります。
これで一件コンプリート。
しかし彼らの戦いはまだまだ続くんですよね。
この辺りがデカレンらしいところ。
他の戦隊はもう終わってしまうという寂しさがありますが、デカレンの
場合は日常が続いていくという感じがでそれほど寂しさは感じません。
ただ放送当時はやはりロスはありましたね。
結局マジレンにも嵌ってしまったのですが、続けて見るかちょっと
迷ってましたから。
エンディングではそれぞれのその後がダイジェストで描かれます。
テツは正式に地球署に赴任。
バッジも銀バッジになってましたが、トッキョウには戻らないのでしょうか?
さすがにテツを育て上げたデカブライトが悲しみそう。
ホージーは相変わらずの身体能力。
でも扱ってるのは小さそうな事件。
仙ちゃんは相変わらず地味な張り込みと推理。
マイペースです。
ジャスミンは不二子ちゃんばりの射撃。
銃口をフッと吹くのがセクシー。
ウメコは相変わらずお風呂。
お風呂好きのウメコはあちこちにバスタブを隠してるのかも
しれませんね(笑)。
熱血に窃盗犯らしき犯人を逮捕するテツ。
完全に刑事ドラマです。
スワンさんとボスは相変わらず。
スクワッドのバンは最後もやはり子供のヒーローでした。
そして伝説のマジレッドへの引継ぎ。
これは当時話題になりましたね。
しかし素晴らしい最終回でした。
この2話で一つの映画を見たような充実感があります。
欲を言えばアブレラの設定などいろいろ掘り下げて欲しいところも
ありましたが、デカレンは刑事ものなのでこれで正解でしょう。
思えば、ジャッカーの中盤以来戦隊を見てなかった私が大人になって
初めて嵌った戦隊がデカレンジャーでした。
途中から嵌ったため序盤は見てなかったのですが、こうやって全話
感想を書けたのは配信のおかげですね。
自分の中で一つ目標が達成された感じです。
まさに私的にも一件コンプリート。
これからも戦隊の感想は書くと思いますが、コンプリートは難しいですね。
やっぱりデカレン以上に思い入れある作品はありませんので。
と言いつつ、来週からも毎週感想を書くかもしれませんが(笑)。
因みに同時配信のキョウリュウジャーも面白かったです。
あちらはまさに王道という感じで子供向けドラマのお手本みたいな
作品でした。
戦隊は普通にドラマとしてよくできてます。
やっぱり東映恐るべしですね。
以上でデカレンジャーの感想を締めさせていただきたいと思います。
すっかり童心に帰って楽しみました。