ウルトラシリーズ ウルトラマンZ 特撮

『ウルトラマンZ』第18話「2020年の再挑戦」

ウルトラQをレビューして、これをレビューしないわけにはいきません。
タイトルからして歴史の重みを感じさせる作品。
ウルトラQの制作者たちもこんな日が来るとは夢にも思わなかったでしょうねw
まだご存命の関係者もおられますので、また感想を聞いてみたいものです。

ストーリーについてはQの時もそうでしたが、やや強引。
でも、この緩さがウルトラのいいところでもあるんですよね。
大人も子供もストーリーにスッと入っていくことができます。
正直最後のケムール人とかおりの分離はかなり無理があるのですが
死人が簡単に生き返るウルトラの世界観では無問題。
分離されたかおりがちゃんと服を着てるとか、そんなのはどうでも
いいんです(笑)。
とても後味のいいラストに、ウルトラQとの違いも感じました。

かおり役の女優は見たことありませんでしたが、宇田川かをりさん。
奇しくも宇田川刑事と同じ。
転送された宇田川刑事が戻ってきたと勘違いさせられそうですが、
監督によると単なる偶然の一致とのことです。

あと観覧車はミニチュア合成とのこと。
CGと違ってミニチュアだと本物と見分けつきませんね。
パゴスが暴れるシーンなどでも円谷のミニチュアワークは健在でした。
相変わらず職人の技が光ります。
因みにwikiによるとパゴスが登場したのはウルトラQでケムール人と
ガラモンとパゴスが戦う回が構想されており、その関連のようです。
マニアックすぎるw。

54年前との違いは、SNSとか警備カメラで人間の消える映像が
しっかり残ってるところでしょうか。
また怪獣が消えることにより、主人公たちが必然的に目撃するという
展開も上手いです。
しかし、あんな派手なことやるから、すぐ捕まるんだよ(笑)。
一応理由はヘビクラ隊長が説明してましたけどね。

54年前との共通点はあの走り方。
でも、古谷氏の方がもう少し大跳びだったような気もします。
あと、観覧車のBGMですね。
ただし、夜景の中Zと戦うシーンは実相寺作品を思い出しました。
日常と非日常の混在というのは実相寺氏が好んだ映像。
この辺りにも先人に対するリスペクトが感じられます。

ケムール人は自らの老いを食い止めるため地球人を狙いますが、
結局54年前の挑戦は成功だったのでしょうか?
宇田川刑事やかおりを誘拐できたのですから、まずまず成功だった
気もします。
同じ設定のワイルド星人はアマギ隊員(ケムール人の中の人w)と
セブンに阻止されてましたが、ケムール人の方は54年間鳴りを
潜めていたということは成功だったのでしょう。

いや、待てよ。
元々ケムール人は2020年にいたのだから、失敗してすぐに
2020年の地球人に目を付けたのかもしれませんね。
なんかよくわからなくなってきました。
そもそもなんで54年前の地球人を狙ったのでしょうか?
2020年の人間は手ごわすぎるから、過去に遡ったのでしょうか?
確かにストレイジみたいな組織がウィンダムとかキングジョー
操ってるんですから、当時の警察官だけの時代とは全然違いますしね。
おまけにウルトラマンまでいます。

ただ、本話のケムール人は地球のことはあまり知らないようでした。
かおりもストレイジのこと知りませんでしたし。
一方、ウルトラマンのことはさすがに知ってるみたいでした。
二代目ケムール人がメフィラス星人の三下で出演したことありますし
情報は入っていたのでしょう。
どうせならウルトラマンが来る以前の時代に行けばいいのに。
あの時の失敗で過去に行けなくなったとかでしょうか?

敵宇宙人あるあるですが、大抵の宇宙人は一人で地球にやってきます。
ゴーバスのエンターさんが提案してたように、どうせなら集団で来れば
いいと思いますが、この辺りは以前解釈したように、星人の中の
ゴロツキがやってくると考えるのがよさそうです。
若しくは皆各々別の星に征服に行ってるとか。
サイヤ人のように生き残りが僅かという可能性もあります。
ガミラスのように、以下略。
その割にいつも我々といいますが。
他の星人から見たら、勝手にうちの星を代表するなよってところかも
しれません(笑)。

ラストでかおりが記憶喪失の振りをするのは、ハルキがウルトラマンで
あると知ってしまったから。
一般人に正体がバレる展開というのも珍しいですね。
しかし54年前から連れ去られたかおりがこの後どうやって生きていくのか
というのは難しい問題です。
もうハルキと一緒になるしかないように見えますけどね。

最後にZ全般について。
過去怪獣や宇宙人の再登場がやたら多い。
この辺りはやり過ぎなければ問題ないでしょう。
そもそも昔の怪獣や宇宙人を新しい視聴者である子供たちは知らないわけですし
大人も子供も楽しめるという点では一番手っ取り早い方法ですから。
これも歴史の重みがなせる技ですね。
女性隊員が多い。
この点についてはかわいければいいです(笑)。

戦うときにやたらアイテムが出てくる。
これも商業的には仕方ないですね。
ただ、ここは私は一番不満です。
昭和のシンプルな戦い方が一番良かったと思います。
ウルトラマンと主人公が対話するのも、戦隊ぽくてイマイチですね。
ウルトラマンGみたいな感じだと、それほど違和感ないのですが。
この点は憑依型と変身型で違うので一概には言えませんけどね。

とはいえ、全般的には面白いです。
ファンタジックな展開や映像が多いのもウルトラの特徴。
商売っ気が強くなってきたとはいえ、まだまだ戦隊ほど露骨では
ありませんし、こうやってウルトラが続いてくれるだけで嬉しいです。
ウルトラの強みはそれこそ54年の歴史が今でも縦線で繋がってるところ。
人間側のドラマが不連続でもウルトラマンという存在だけで世界観が
統一されるというのは素晴らしいです。
何万年も生きるウルトラ一族だからこそ可能な設定です。
戦隊やライダーに負けずにまだまだ続けて欲しいものです。

次回はエース兄さんが登場!
ではでは。

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