ウルトラシリーズ ウルトラマンマックス 特撮

ウルトラマンマックス第13話 「ゼットンの娘」

冒頭から佐野さんのナレーションでテンションが上がる。
今回はあの上原正三氏が脚本でゼットンが出るってんだから、
それだけでも必見もののエピソード。
まあ、上原氏のゼットンというと新マン最終回の(養殖)ゼットンに
なってしまうんですけどね(笑)。

これはリアルタイムでも視聴してましたが、蓋を開けるとハリケンブルー
こと長澤奈央さん大活躍の誰得(俺得)なエピソードでした。
いやしかし、上原大先生が当て書きで書いたわけでは
なかろうのに、何ですか、この大活躍は?
で、結局なつみの忍者姿(まんまハリケンブルー)は何だったんでしょう?
もはや完全にスタッフの趣味としか思えない世界です(笑)。

今回はプロジェクトブルーが実現したかのような監視衛星網が出てきます。
まあ、結局突破されるのはお約束ですが(笑)。
弛んでる隊員たちに向かって隊長の一言。
「侵略者はそんなに甘くないぞ」。
そりゃ、地球まで侵略に来るような宇宙人のテクノロジーを
甘く見てはいけません。

今回の主役のなつみは超能力少女。
しかもゼットンナノ遺伝子を1万年かけて受け継いできたという
物凄い設定。
1万年前にゼットン呼び寄せた方が早かったような気が。
上原氏のハイパーな脚本に驚かされます。
マックスは他にも実相寺監督や飯島監督が参戦しますが、大ベテランが
若いスタッフに負けないくらい弾けた作品を作っており、整合性よりも
話の勢いという昭和の気風を感じさせますね。

今回は何気にエリーがゼットン星人のセリフを通訳するシーンが
多く、個人的には結構ツボでした。
満島ひかりの演技力も光りますね。
アンドロイドが隊員にいると、夜の基地の警備も安心して任せられるし
結構合理的な気がします。
もっと増やせばいいのに。

なつみは何故か忍者装束で基地に潜入。
カイトの声紋をコピーしたのは直接会って話したからか、献血したからか。
もうその辺の細かい話はどうでもいいです(笑)。
忍者装束なのは単なるゼットン星人の趣味としか言いようがありませんね。
怪我をしたはずのなつみが翌日無傷だったのは、結局ナノ遺伝子のおかげでしょうか?
それともあのなつみはナノ遺伝子が作り出した分身?
正直よくわかりません。

大雑把な展開の中、遂に来襲するゼットン。
子どものころウルトラマンを視聴した人たちは恐らくゼットンのあの電子音だけで恐怖が蘇ると思います。
トミオカ長官もビビってましたし(笑)。
しかもこのゼットンは二代目とは違ってなかなか強敵。
最近戦隊ものをよく見るのですが、やっぱりウルトラの方が敵の恐怖感ありますね。
これはウルトラマンの孤独さというのも関係あると思います。
孤立無援な感じですね。

必殺技が次々に破られなす術のないマックス。
カラータイマーもとうとう赤に。
そこへ遂に来ましたウルトラマンゼノン。
OPの最後に派手に宣伝されていた本話の目玉のゼノンがいよいよ登場です。
オシシ仮面よろしく、ゼットンと格闘するゼノン。
しかし必殺光線はやはり通用しません。
挙句の果てにとっておきのマックスギャラクシーはマックスに横取りされる始末。
て、マックスギャラクシーなら元々マックスの武器なのか?
これに関してはマックスに武器を渡しに来たという説が定説になっているようですが
映像からはそうは見えませんでした。
でも、そのまま授けてることから、彼の名誉のためにもそういうことにしておきましょう。

マックスギャラクシーで遂にゼットンを倒すマックス。
この後2人のウルトラマンの会話があります。
ここでの注目ポイントはマックスの「ウルトラマンゼノン」というセリフ。
これは明らかに「ウルトラセブン参上」の時の新マンの「ウルトラセブン」
というセリフを意識した演出ですね。

平成のゾフィとも呼ばれるゼノンですが、最初はアンドロメロスが助けにくる予定だったとか。
それは是非見たかったですね。
内山まもるの漫画で育った(てほどでもないが)世代にとって、アンドロメロスへの思い入れは格別です。
子供の頃はゾフィは憧れでゾフィ最強だと思ってました。
それは内山漫画の影響でしたが、そのゾフィの仮の姿がアンドロメロス。
公式設定では別人になってるようですが、平成のゾフィがアンドロメロスなら最高だったでしょうね。

もちろんウルトラマンゼノンも好きです。
キレッキレのアクションもやっぱり見ててワクワクしました。
まさかその後一回も出ないまま最終回になるとは思いませんでしたが(笑)。
マックスは各クリエイターが自由に作品を作っただけあって、シリーズ通しての構成は少し弱かったかもしれませんね。

ちょっとゼノンの話ばかりになってしまいました。
なつみは次回も出るので、最後になつみの住んでる下町の話。
かのウルトラセブン「狙われた街」でも効果抜群でしたが、近代的なDASH基地と下町の風景の対比は何とも言えませんね。
それだけで不思議な空間に見えてしまいます。

ウルトラシリーズと戦隊ものの一番の違いは、ウルトラシリーズは普通の人たちが主役だということ。
ウルトラマンに変身できる人も普段は普通の人ですし、隊員たちその他ゲストも
基本的に普通の人なんですよね。
巨大な宇宙人が怪獣と戦うという荒唐無稽な話にも関わらず、私は子供の頃から
戦隊やライダーよりウルトラマンにリアリティを感じてました。
それはやはり登場人物が普通の人たちだからでしょうね。

本話でもカイトやミズキは基本的に傍観者なんですよね。
もちろん二人が中心のエピソードも多々ありますが、ゲスト中心の作劇は如何にもウルトラという感じがしました。
戦隊やライダーとウルトラの作風の違いは追々書いていきますが、正直最近のウルトラは戦隊の方に寄せすぎな気もしますので、本話みたいな話を見るとホッとしますね。
こういう防衛隊がいて、ウルトラマンが孤独に戦って、というシリーズをまた見たいものです。

長くなりましたが、こんなところで。
ではでは。

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